阿部のメルマガ

インテリジェンスとITシステム

1. インテリジェンス

弊社はITシステムを導入しているため、あらゆる数字が上がってきます。導入から3年がたち、その量も膨大です。しかし、お恥ずかしながらほとんど活用できていなかったと言っていい。もちろん、労務管理などの活用に関しては大きな成果を上げてきました。しかし、ITシステムの本質は「意思決定=インテリジェンス」の精度向上と、権限委譲のための感覚研磨にあると思います。が、これはお世辞にも社内に浸透したとは言い難い。そこで、2020年の夏から様々な角度からの検証と分析を進めました。ただ進めたのではありません。数字を使って業務改善の実績を積み重ねながら、数字の蓄積と精度の向上に努めたのです。

2. ITシステム

たとえばこんなことが起こっていました。加工タイムを測るために作業の開始、中断、終了のボタンがあるのですが、これが人によってバラバラもいいところ。中には、開始してから終了するまでに昼食や休憩も入れずにタイムが計測されている人間もいました。これは、入力することそのものが難しいことを意味していません。入力して上がってくる数字を活用し、どのように分析して、みんなにフィードバックするのか、という管理側が数字把握に対していい加減であったため、みんなが入力する意味を理解できていなかったのです。これは一時が万事で、あらゆるデータに傾向としてあらわれていました。そこで、われわれが取り組んだのが「インテリジェンスの理解」です。データ入力側を改善するのではなく、データを分析しそこからどのように経営アクションにしていくべきなのかを思考する管理側のレベル向上に着手しました。

3. 課題

取り組んで半年、成果は着実に上がっています。数字を意思決定する人間のインテリジェンスを高めることで、上がってきて欲しい数字が明確に指摘できるようになり、社内のITシステムをどのようにつかって何を上げてきてもらえるとどうなるのか、ということをシステムの末端で入力する人間たちに伝えられるようになってきました。当然、現場における数字理解も上がるため、業務改善のアクションに関するトライエラーが確実に噛み合うようになっています。「インテリジェンス」というのは、我々人間であれば誰もが持っているものです。それは経験や知識、知恵に裏打ちされています。しかし、法人には個人のように脳と体が連動していたり、知識知恵が使いやすいように脳に整理されていて、ひらめきや思い出すといったことが用意されていない。そこで、法人においてこうしたものをスムーズに回遊させて、高度なインテリジェンスを実現していくためには関わる人々のコミュニケーションが欠かせません。ITシステムはこれを数字で保管してくれるわけです。しかし、インテリジェンスが低ければ、数字の精度が悪くなり、意思決定のレベルは社長などに属人化されてしまう。つまるところ、法人経営とITシステムは、人間的なレベルアップとほとんどやっていることが同じなのです。我々はひとりのアスリートをどのように鍛え上げていくのか、ということに取り組むトレーナーのようなものです。ITシステムは記録を数字で出してくる。それを活用するか否か、そして法人というアスリートの記録が良くなるか否か。そういう有機的なインテリジェンスにこそ、ITシステムが生きる仕組みがあるのです。

今回もご一読頂き有難う御座いました。皆様のより一層のご繁栄を心よりお祈りしております。引き続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。