阿部のメルマガ

人的システムとITシステム

人的システムとITシステム。このどちらも高いレベルで揃っているのを理想としておりますが、どちらも日々変化、進化しておりますので、最適解を叩き出すのが本当に難しいです。どちらにも課題があり、どちらにも可能性があるので今回はそこについてお話しさせて頂きます。

1.人的システム

結局のところ、人間の脳味噌に勝る意思決定ソリューションは今のところありません。そもそも、ITに求められるのはまずはデータの可視化。そこからインテリジェンスを導くための機能が強化され、兼ねてより搭載されてきたAIが数年前のディープラーニングによって強化されてビックデータの解析なんかが劇的に進化中。というのが現在のポジションなのかなと思っております。阿部工業だけみても、毎日数十から数百もの加工依頼があり、数日から数週間に及ぶスケジュールと工程を全て段取りし、更にはベストな加工手順の考案と人への指示、品質管理に日々その進捗を把握してチェック、といったことをこなせるAIもシステムも存在しません。人間の能力はまだまだ圧倒的であり、したがって阿部工業では人間強化の為、常にトライ&エラーの日々であり、ここに更に高い品質をもとめることが充分に可能なだけのポテンシャル(ようは言い換えればまだまだ至らないところが山ほどあるということ)があります。

2.ITシステム

弊社では、全てのスタッフがiPadを保持し、工程の進捗などをチェックできるようになっております。そこに、工程ごとのリーダーが集まって、データを見ながら、これまでに生じたミスや良い点などを議論しながら、よりよい加工進捗や品質向上のためのアクションに移し、さらにデータで検証を行うというプロセスをとっております。この時には、暗黙知として実践してきたことの可視化を実施しているITシステムがなければ、作業や品質の社内における標準化には至りません。結局数字が示しているものからどんなインテリジェンスに導けるかが鍵であり、加工者集団としてだけのスタンスから、新しい段階、局面に移行しつつある活動を現在取り組んでおります。ここでのITシステムは、どんどん変化、進化していくものでありながら、我々がそれに合わせる形をとりすぎては技術の良さがなくなってしまう危険性を孕んでいるものです。だからこそ、使い倒しながら自分達に取り込むべきエッセンスとクライアントの皆様のニーズをしっかり満たせる品質の両立にフォーカスしております。

3.課題

とまあ、上記の全てが満たせていればいいのですが、まだまだ発展途上。というよりも、人的要素とITの両輪の追求に終わりはないということは様々な経営者様やお客様とお話ししていればわかります。だからこそ、私達が追求すべきは、人間としてそのどちらにも精通しながらもアイディアや創造力を持ち、柔軟な対応が可能な集団としての魂だと考えております。全てはツールであり、ツールを生かす為のアイディアがなければなりません。お客様から一本の電話が来た時に、加工技術に精通している人間だからこそできるアイディアのある質問や、工程を組みながらお客様が気づかなかったような箇所をお問い合わせができるような会社、集団でありたい。その為に人財を磨く。ただこの一点を突破するために私達は投資をし続けてまいります。

今回もご一読頂き有難う御座いました。新型ウイルスによる影響はまだまだ続きそうですが、皆様のより一層のご繁栄を心よりお祈りしております。引き続きどうぞ宜しくお願い申し上げます。